pingとは、おもにネットワークの疎通を確認するために使用されるコマンドです。
pingは、ICMP(Internet Control Message Protocol)のechoコマンドを利用して、指定した相手先(IPアドレスまたはホスト名)に文字列を送り、その戻りの有無によりネットワークの接続が確認できます。
また、応答速度も表示されるため、ネットワークの速度を確認することもできます。
ネットワークに繋がっていて、IPアドレスを持っている機器であれば、インターネット上でも家庭や会社の内部LANでもpingで疎通確認することができます。
ただし、pingに応答しない機器やpingに応答しない設定もありますので、「pingが通らない」場合でもネットワークに正常に接続されていることもあります。
「pingが通る」・・・ ネットワーク上で繋がっている
「pingが通らない」・・・ ネットワーク上で繋がっていない。またはpingに応答しない。
インターネットに接続したサーバを外部からping確認したい場合は、以下のサービスを利用可能です。
(当社サイトのページが開きます)
プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)のping疎通確認は、以下のコマンドを実行してください。
プライベートIPアドレスの意味は「IPアドレスとは?」でご確認ください
pingコマンドは使用するOSやバージョンにより、実行オプションが異なります。
以下では、「Windows」と「Linux」について掲載しています。
「スタート」→「アクセサリ」→「コマンドプロンプト」を開き以下のコマンドを実行します
ping オプション IPアドレス or ホスト名(FQDN) 例1: ping -t -l 64 192.168.0.1 |
|
オプション | 意味 |
---|---|
-t | ping送信を無制限に繰り返す。 停止は「Ctrl」+「C」 |
-a | ping対象がIPアドレスの場合に逆引きホスト名を表示する |
-n count | ping送信を行う回数を指定する。 デフォルト:4回 |
-l size | ping送信時のデータ部サイズを指定する。 デフォルト:32バイト |
-f | IPパケットの「Don't Fragment」を設定して、パケットの分割(フラグメンテーション)を禁止する |
-i TTL | IPパケットのTTL(Time To Live)を指定する。(1~255) TTL:通過できるルータ等の数 |
-v TOS | IPパケットのTOS(Type Of Service)を指定する。(0~255) TOS:処理する優先度(使用されていないこともある) |
-r count | IPパケットの「Route Recording」部に、通過したルータ等のアドレスを記録し表示する。(1~9) 通過ルータや相手先ホストの設定やファイアウォールなどによっては、記録を残さない場合もある。 また、[-r」を付けたpingコマンドのパケットはすべて無視される場合もある。 |
-s count | IPパケットの「Time Stamping」に、通過したルータ等のIPアドレスと時間を記録し表示する。(1~4) 通過ルータや相手先ホストの設定やファイアウォールなどによっては、記録を残さない場合もある。 また、[-r」を付けたpingコマンドのパケットはすべて無視される場合もある。 |
-j list | pingで経由させるルータ等をIPアドレスで指定する。(最大9個) IPパケットの「loose source routed」が使用されるため、指定のルータ等以外も経由できる。 |
-k list | pingで経由させるルータ等をIPアドレスで指定する。(最大9個) IPパケットの「Strict Source Route」が使用されるため、指定のルータ等以外は経由できない。 |
-w time | pingの応答時間を待つ時間。単位はミリ秒単位 |
ping オプション IPアドレス or ホスト名(FQDN) 例1: ping -c 10 -i 3 192.168.0.1 |
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オプション | 意味 |
---|---|
-L | マルチキャストのループの制限を行う |
-R | IPパケットの「Route Recording」部に、通過したルータ等のアドレスを記録し表示する。(1~9) 通過ルータや相手先ホストの設定やファイアウォールなどによっては、記録を残さない場合もある。 また、[-r」を付けたpingコマンドのパケットはすべて無視される場合もある。 |
-d | パケットのSO_DEBUGオプションを指定する |
-f | Flood pingモードを指定 1秒間に100回またはパケットが戻るとすぐにpingが送信される。(表示形式は通常と異なる。) ネットワークに負荷を掛けるため注意が必要で、特定のユーザーだけがオプション指定できる。 |
-n | IPアドレス指定のpingの場合、ホスト名を出力しない。(DNSの逆引きは行わない) |
-q | pingの実行中結果を出力しない。(開始と終了(結果)の表示のみ) |
-r | ルーティングテーブルを無視して、指定したホストに直接パケットを転送するように指示する。 すなわち、同一の物理ネットワーク上に目的のホストがない場合はエラーになる |
-v | 詳細モード。通常は無視される他のICMPパケットも表示する |
-c count | ping送受信の回数を指定する |
-i wait | 送信パケットの間隔時間を指定。(デフォルト:1秒) -fオプションとは矛盾するため同時に指定はできない。 |
-w time | pingコマンドの実行時間を指定する。(単位は秒) パケットの応答時間待ちではなく、pingコマンドの実行時間。 |
-p pattern | パケットのパディング(埋め合わせ)データのパターンを指定する。 例えば、「ff」はすべてのデータを「1」で埋めることを示す |
-s size | ping送信するパケットのデータ部サイズを指定する。(デフォルト:56バイト) 実際のサイズは、ICMPヘッダーの8バイトが付加される。 56を指定した場合、ICMPヘッダー8バイトが追加され、データ部は64バイトとなる。 |
-t ttl | IPパケットのTTL(Time To Live)を指定する。(1~255) TTL:通過できるルータ等の数 |
-I interface | 指定されたインターフェイス(ネットワークカード名。バインドされたIPアドレスでも可)を用いて実行する |
-l preload | 指定した数だけecho要求パケットを可能な限り高速に送信したあと、通常のpingと同じ内容を実行する。-iオプションを同時に設定した場合は、echo要求パケットを指定した数だけ高速で送信したあと、-iオプションで指定した送信間隔時間でecho要求パケットを送信する。このオプションは、スーパーユーザのみが利用できる。 |
pingコマンドは使用するOSやバージョンにより、実行オプションが異なります。
以下では、「Windows」と「Linux」について掲載しています。
No | 表示の意味 | 内容の見方 |
---|---|---|
(1) | 実行 コマンド | 当ページのコマンド実行方法をご確認ください |
(2) | ホスト名 IPアドレス | 指定されたサーバーが表示されます。 DNSにCNAMEレコードがある場合は、ホストが変更され表示されます。 |
(3) | IPアドレス | ホスト名で指定された場合、DNSにより正引きされたIPアドレスが表示されます。 |
(4) | 送信 バイト数 | [Windows] 送受信するデータのバイト数が表されます。 →「32 bytes」の場合、32バイトのデータとなります。TCPヘッダーは別途20バイト加算されます。 [Linux] データを送受信することを表していますが、実際にはICMPのヘッダー8バイトが加算されます。 →「56(84) bytes」の場合、56バイト+ICMPのヘッダー8バイトが加算され、64バイトが送受信されます。 「84」はTCPヘッダー20バイトを加算したバイト数を表しています。 |
(5) | ping先 サーバ | ping先のIPアドレスが表示されます。 [Linux]でホスト名が指定されている場合、ホスト名とIPアドレスの両方が表示されます。 |
(6) | 送信 バイト数 | echo送信されたICMPのデータバイト数が表示されます。 |
(7) | 応答時間 | pingの送信から戻るまでの応答時間を表しています。(単位はミリ秒(1000分の1秒)) 一回目は遅い場合があります。(デフォルトゲートウェイの検索などのため) 「<10ms」など「<」「>」が表示される場合があります。 「<」は「以下」、「>」は「以上」を表しています。 |
(8) | 通過 ルータ数 | ping先から戻るときに通過したルータなどの数を表しています。 ルーターによっては30・128・250・255色々な値がデフォルトとなるため、通過したルータ数は推測するしかありません。 上記例では、「255-246=9」により、9台のルータを通過して戻されたと推測されます。 TTLがあるのは、ネットワーク上で電文(パケット)がループして戻らないのを防ぐためにあります。 |
(9) | シーケンス | [Linux」の場合のみ表示されます。 pingの送信回数(順番)を表しています。 Linuxではタイムオーバーが帰らないため、シーケンス番号の歯抜けで、パケットロスしたタイミングを確認する必要があります。 |
(10) | エラー情報 | pingコマンド実行時のエラーが表示されます。 下記のType3エラーの他に、タイムオーバーやTTLオーバーなどエラーがあります。 [Windows]の場合は、応答が一定時間に戻らない場合は、「Request timed out.」も表示されます。 [Linux]の場合は、タイムオーバーが表示されないため、シーケンスの欠落で戻りが無いことを確認します。 |
(11) | 送信回数 | ping送信を行った回数を表しています。 |
(12) | OK回数 | 正常に応答した回数を表しています。(疎通OKの回数) |
(13) | NG回数 | 正常に応答した回数を表しています。(疎通NGの回数) [Windows]のみ表示されます。 |
(14) | NG率 | ping疎通がNGとなった比率をパーセントで表示しています。 上記(13)÷(12)の割合(%) |
(15) | コマンド 実行時間 | pingコマンドの開始から終了までの時間を表しています。(単位はミリ秒(1000分の1秒)) [Linux]のみ表示されます。 |
(16) | 最小 応答時間 | 実行したpingコマンドの中で最小の応答時間を表しています。 |
(17) | 最大 応答時間 | 実行したpingコマンドの中で最大の応答時間を表しています。 |
(18) | 平均 応答時間 | 実行したpingコマンドの平均応答時間を表しています。 |
(19) | 平均偏差 | 実行したpingコマンドの平均偏差を表しています。 平均偏差:平均値と測定値にどれだけ差があるかということを表しています。 平均偏差が小さいと応答時間のムラが小さく、大きいと応答時間にムラが大きいことになります。 |
TYPE3エラー(ICMP到達不能メッセージ) | |
---|---|
CD | エラーメッセージ・内容 |
0 | Network Unreachable 指定されたネットワークに到達不可 |
1 | Host Unreachable 指定されたホストに到達不可 |
2 | Protocol Unreachable プロトコルに到達不可 |
3 | Port Unreachable ポートに到達不可 |
4 | Fragmentation Needed and Don't Fragment was Set パケットの分割(フラグメンテーション)が禁止されている |
5 | Source Route Failed ソースルートが利用不可。送信元指示によるルーティング失敗 |
6 | Destination Network Unknown 指定されたネットワークが分からない(経路が無い) |
7 | Destination Host Unknown 指定されたホストが分からない(経路が無い) |
8 | Source Host Isolated 送信元が通信できない |
9 | Destination Network Administratively Prohibited 指定されたネットワークでアクセス拒否された |
10 | Destination Host Administratively Prohibited 指定されたホストでアクセス拒否された |
11 | Destination Network unreachable for TOS 不正なTOSにより指定されたネットワークに到達不可 |
12 | Desination Host unreachable for TOS 不正なTOSにより指定されたホストに到達不可 |
13 | Communication Administratively Prohibited ファイアウォールなどによって着信拒否 |
14 | Host Precedence Violation ホストの優先順位違反 |
15 | Precedence Cutoff in Effect 優先順位により切断された |
cman.jp内 関連ページ |
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